真のロングスリーパーを決めるために寝ないで考察しました。
激闘の様子を余すことなく書き綴ってしまったため記事もロングです。
目次
うたう1on1について
経緯
5月24日 深夜――
Twitterを眺めていたところ、ダブルのランクバトルで退屈な日々を刺激してくれる面白いことをしている方々(オブラートに包んだ表現)が「うたう1on1」という企画についてしゃべっていた。
ポケモンサークル絡みで普段企画側や運営側を行うことが多い身なので、こういった斬新な(オブラー(ry ポケモンの遊び方には積極的に関わって行くようにしている僕は、今回もどんなルールなのかとわくわくしながら調べた。
使えるわざは「うたう」のみ
うたうで時間を無駄にして悪あがきで殴り合おうという企画だった。
僕には思いつかない面白いことを考えるなぁと思った。歯に衣着せずに言うと、あぁ人類はなんてバカなことを考えるんだろうと思った。こういうバカ企画は大好きなので、まず開催しないだろうなとは思いながらもポケ徹でうたえるポケモンを検索して適当に強そうなポケモンをツイートするなどして、その日はひとときの無駄な時間を過ごした。
その後この企画を考えた方々は寝るために用意した企画のはずなのに徹夜で考察していた。
5月25日 夜――
オンデマンドで行われる大学の講義を見流しながらTwitterに励んでいると、ある記事が流れてきた。
ぼく代理>o'ω'o<「!?!?!?!?!?」
確かに「開催する? しちゃう?」みたいな話が出ていたのは知っていたが流石に冗談だと思っていたため目ん玉飛び出た。僕がナマコブシだったらたぶん中身が飛び出てディスプレイを割っていたので、ナマコブシじゃなくてよかったと心の底から思う。
いつもだったら画面の向こうでバカなことやってるなぁ結果だけ見るか~とスルーするところではあるが、今回はうたう1on1のしょーもな考察ツイートに複数人から反応をもらっていたため、僕が出ても「誰だお前は」とはならなそうだった。
普段遠巻きに見ているだけだったおもしろダブル勢の方たちと仲良くなりたいという下心もあり、出場する次第となった。
ルール
ざっくり説明
使っていいわざは「うたう」だけ!!!!
ポケモンは一匹!
殴り合う!
もちろん攻撃できないので、悪あがきがメインの攻撃手段。
詳細説明
showyu-frozen.hatenablog.com
要項を張る許可をもらったため詳しくはこちらをどうぞ。
当初神速シングルを予定していたのがノーマルルールになったせいでTODが危惧されるとか書いてあってポイアが禁止になったりしてた。
運営大変すぎる。お疲れさまです。
環境考察・使用ポケモン決定
考察経緯
出ると決めたからにはしっかり勝ちに行かなければならない。
バカ企画は真面目にやってこそバカ企画として成立することは、我が師匠たちこと最強タケシ決定戦のタケシが教えてくれている。
最強タケシ決定戦ってなんやねんって思った人は検索してみよう。きっとあなたの退屈な日々を少しだけ彩ってくれます。
さて、まずは勝利条件を考える。
このルールにおいて歌い合う時間ことコンサートはただの前振りの茶番。
しびれを切らして悪あがき始めたところから勝負が始まる。
もりのコンサートの図
まず前提としてこのゲーム、PP管理がかなり難しい。
- わるあがきの火力が高い場合→さっさとPPを切らして殴り殺したい(チョッキなど)
- わるあがきを受けきる場合→なるべくPPを切らさないように立ち回る必要がある
というのがPPの基本である。しかし、ヒメリによる回復があることや、そもそもうたうで眠るターンが不確定なことから、事前にわるあがきまでのターン数を特定するのは不可能。
よって、チョッキ型ヒメリ型以外はどちらが先にわるあがき始めるかが考察の際にネックになる。(お互い条件は同じなのでコイントスで先攻後攻を決めると思うほかない)(素直にコイントスしろよ)
以下では先攻後攻で試合が分かれることを「コイントス」と呼ぶことにした。
* * *
出場を決めたはいいものの、普段対戦をする人間ではないのでこういったメタゲーは正直苦手な部類。そもそもちゃんとしたメタゲーを遊ぶのは初めてである。どうしたものかと悩んでいたところに天使が舞い降りた。
最強のポケモン見つけちゃった
— くれっしぇんど (@crescendopoke) 2021年5月25日
東京大学ポケモンサークル ぽけっちの†副代表†にして、うたう1on1を出場もしないのに考察している異常者、くれっしぇんどことくれちゃんである。
くれちゃんはtier表をもたらし、うたう1on1の基礎となるポケモンたちを示して眠りについた。
これを元に環境を考察していくこととなる。
以下はくれちゃんの言
「チラチーノとラプラスが二大巨塔で、それにどれくらいあらがえるかでtier表作ったんだけど、ヒメンカとかはチラチーノにボコボコにされるのでEランクになってて、チルタリス以上のポケモンがHBゴツメならチョッキチラチーノ倒せるからランクインしてる」
なお、このときはヒメンカの強さにくれちゃんが気づいていなかったため、この後考察ではまた変化することとなる。
環境考察
すくみ関係
大きなすくみ関係は以下
高火力とは、わるあがきで素直にぶん殴りに行くポケモンたち。
高耐久とは、相手のわるあがきを受けきって反動で倒れてもらうことを狙うポケモンたち。
鈍足とは、相手とわるあがきの打ち合いになった際に遅くわるあがきをする方が有利だという理論に基づいて素早さを下げたポケモンたち。
以下ではそれぞれポケモンを「高火力」「高耐久」「鈍足」でくくることがある。
- 道具
とつげきチョッキは、うたわず迅速にわるあがくことができる。
こだわりハチマキは、最強のわるあがきを使える。
ヒメリのみは、PPを増やしてわるあがくまでの時間を延ばす。
ゴツゴツメットは、相手のわるあがきの反動を更に追加することができる。
このとき、よく考えるとわるあがき優先度というものが見えてくる。
わるあがき優先度とは、わるあがきをどちらが先に出すかという情報を、普通のわざの優先度になぞらえたものである(優先度は、例えばでんこうせっかは他のわざより早く出せるけどトリックルームは他のわざより遅く出る、みたいな情報を数字にした値のこと)。
- チョッキが一番早くわるあがきにたどり着いているため、チョッキはわるあがき優先度+∞相当。
- その他の持ち物はPPに影響しないため、わるあがき優先度は0
- ヒメリは10ターン分だけPPに影響するが、眠りの下振れ次第で10ターンは巻き返せてしまうためわるあがき優先度-1相当
とそれぞれ優先度を付けることができる。
以下ではこの優先度を議論に度々登場させるため念頭に置いておいて欲しい。
これらを踏まえて考察し、できあがった関係図がこちら。
(iPhoneアプリ「人物相関図」を使わせていただきました)
ぐっちゃぐちゃでよくわからん。筆者自身たぶん途中から編集できていない部分がある。
とにかく、それぞれ個別に解説をしていく。
高火力ポケモン
殴り倒すポケモン。コンサート会場をボディビル会場だと勘違いしている方々。
特徴
- 環境の中心として活躍することになる。
- ミラーがかなり複雑。
特性テクニシャンによってテクニカルにわるあがく。テクニカルなあがきってなんなんだ。
とにかく最高火力。
恐らく意地ABがメジャーだと思われるためダメ計は全てこれ。意地じゃないとラプラスに殴り勝てなくなるため恐らく意地固定。
同じく高火力のマリルリとの具体的な差別化は、HBラプラスにわるあがきの打ち合いで競り勝てること。三すくみにあらがえる。
考察できる持ち物はチョッキハチマキヒメリに加えて、持ち物を持たずとも火力が足りているため防護パッドが候補にあがる。高火力ゴツメは耐久のあるマリルリでいいので割愛。
具体的な考察
具体的な考察の結果、マリルリとラプラス以外はどんなチラチーノにもほぼ勝てないことがわかった。
こんなにニコニコしてるのに特性ちからもちによって力任せにぶん殴ってくる。こわい。
次点の火力。
先述したが耐久もあるため高火力ミラー(VSチラチーノ)との関係が複雑。
具体的な考察
高耐久ポケモン
耐え忍ぶポケモン。ぶん殴られてもめげずに歌い続ける健気で頑丈な歌姫たち。
特徴
- 高火力ポケモンへのメタとして機能する。
- 不利な対「鈍足」でもPPの消費が後になれば勝ち目は大いにある。
甲羅補正でカチカチ。ラプラスに乗ったらお尻痛くなりそう。
最大物理耐久で、シェルアーマーで急所ワンチャンすら許さない。
具体的な考察
なんでこいつ高火力側にいたのに高耐久側にもいるの? バグ?
次点の高耐久ポケモン。
ヒメリで殴らない場合はラプラスでいいため、耐久と殴り合いを兼ねたゴツメのみ考察。努力値はAB~HB、ただしチラチーノの持ち物なしA特化を3発耐えるためにB補正必須。
具体的な考察
その他議論に上がったポケモンたち
有利である高火力の対チラチーノに関して、ゴツメを持てばチョッキに抗える、ハチマキ・ぼうごパッドには先手後手同時どれでも殺される。
その他特に特筆するべき特徴はないため、環境から除外
鈍足ポケモン
ゆっくりマイペースなポケモン。実は同優先度コイントスに全てをかけるギャンブラーたち。
特徴
- ヒメンカ
ちっこい。のろのろ。かわいい。
一番遅いため同時あがき開始=後攻あがきになることから、同時までセーフなら五分以上として扱える。
特性胞子は麻痺眠りで相手が動かないとその間にわるあがきの自滅で負ける可能性があるので、ヒメリ向けか?
多くは輝石を一番最初に考えると思うが、これに関しては相性有利の「高耐久」との打ち合いに若干強くなるだけで明確なメリットがなく、「高火力」に対しては結局耐え忍ぶことはできないため考察対象外とした。
実際に、HB特化でもハチマキマリルリを受けきれていない。
鈍足相手には同優先度になることを考えると五分にはなるものの、他のポケモンには恐らく勝てない。
よってヒメンカに関してはゴツメとヒメリのみを考慮に入れる。
- その他鈍足
鈍足としてはヒメンカに負け、耐久としてはラプラスに負ける。
ヒメンカよりは耐久が高くてラプラスよりは遅いよ~って言っても結局同優先度コイントスなので、足が遅いことはそこまで考察に影響はないと判断した。
耐久に関してはくれちゃんがチラチーノで殴り勝てると言っているのでそうなんだろう。深夜4時にそこまで考える気力はなかった。
チラチーノでラプラスにも殴り勝てるのでたぶん大丈夫。
持ち物
- ヒメリのみ
わるあがき優先度を下げられるきのみ。
擬似的に鈍足運用ができるようになる。
高耐久ポケモンが持てば、本来5発受けなければいけないところを3発の受けで済ませられる便利アイテム。
メタに防護パッドが存在する。
チラチーノさん「お遊戯会なんてやってられっかよォ!!!」
- こだわりハチマキ
チラチーノさん「楽しいコンサートだったね……」ムキムキ
- ぼうごパッド
(画像が見つかりませんでした)
最大火力のチラチーノ専用装備
ゴツメの受けに抗えるようになるが、受けきられるときには相変わらず受けきられる。と思いきやチラチーノの火力が高すぎてギリセーフになりうる。
- 混乱実
画像はマゴのみですが、たぶん特攻が下がる性格を使うと思うので、ミントを使わなければウイのみです。
混乱すれば1/3の確率でわるあがかなくて済む、回復もできるし受けポケに持たせるの強いかもしれない
と思ったが、基本的に延命としてはヒメリの劣化になりそう。
ヒメリと違って優先度を絶対に下げられるわけではなく、下げ幅もかなり小さい。運次第で持ち物なしになりうる。
今回は非考慮としたが、可能性が眠っているかもしれない。
- アッキのみ
誰か良画質アッキのみをください。
一応ラプラスに持たせればチョッキチラチーノのみ受けきれるようになる。他の相手にはゴツメでいい。チョッキもゴツメでいい。
一瞬可能性を感じたが、耐久上げても自分もわるあがきをすれば意味がないことに気づいた。結局同優先度コイントス問題を解決できていない。
- くろいてっきゅう・パワー系
もっと黒光りした鉄球の画像がほしかった
Sが下がってめちゃめちゃ鈍足になる。
個人的には鈍足を軽視しているため採用しようとしている人の考えがよく分かっていない。
環境考察を受けて
使うポケモンを絞っていく。
まず、上記の通りの理由で議論に上がった4匹以外を除外。
鈍足のヒメンカは、結局PP消費コイントスに負けてしまえば足が遅い価値がなくなるため選択肢から除外。
チラチーノとマリルリとラプラスについて考えることになった。
- まず、チラチーノミラーでコイントス勝負に持ち込むことが可能で、相性の悪い受けにも互角に立ち回れて、最悪の場合急所でワンチャン掴めるぼうごパッドABチラチーノが強く見えた。ただしチョッキ高火力には勝てないため、チョッキがどれだけ環境にいるか?
- のんきABゴツメマリルリも悪くなさげ。チョッキ高火力には勝ててそれ以外のポケモンもヒメリを持っていなければ互角以上の勝負になる。だけどマリルリで受けの場合は急所を考えるべき。
- ヒメリHBラプラスを持って行けばゴツメには勝てるもののチョッキ高火力とぼうごパッドチラチーノには勝てない。
- ゴツメHBラプラスについては防護パッドで完封される点、上の三すくみ画像では高火力に有利を取っていたものの、コイントス込みで押し切られる可能性があるためあまり強そうに見えない。
- 逆にこのことを考えると、ここまでの考察からかなりチラチーノが強いため、チラチーノ偏重の環境になると読み切るのであればチョッキABチラチーノを持って行って全てを破壊する可能性はあるが、流石に度胸がない。あとせっかくのルールなので歌いたい。
これらのことを総合した結果、ぼうごパッドチラチーノorのんきABゴツメマリルリまで選択肢を絞り込んだ。
が、しかしここで問題発覚
ぼく代理デデンネ>o'ω'o<「うーん、チラチーノの火力さすがに高すぎンネ? 数値的にはマリルリとそんなに変わらないはずンネ」
ダメ計ぽちぽちぽちーん
ぼくの心の中の>o'ω'o<「も、もしかして……これまでのチラチーノの与ダメ計算、全部タイプ一致補正乗ってたンネエエエエエエエ!?!?!?」
* 考え直し *
というわけで、これまでのチラチーノの計算は全部本来より火力が1.5倍の状態で計算していたことが判明した。
要するに上の計算は全てのわるあがきが急所に当たった場合の計算をしていたことになる。
【この事件により変わったこと】
- ◎「しっぺがえし」(先攻)もしくは「とどめばり」もしくは「うちおとす」で計算するべき(わるあがきと同じ威力のため。弱点を突かないように選択)
- tier1にて、チラチーノに殴り倒されるという理由でランク下位にいたポケモンが全部上がってくる。
- 輝石ヒメンカが普通に堅い。
- マリルリの耐久は足りているため必ずしもわんぱく・のんきでなくてもよくなった(ハチマキチラチーノのわるあがきを3耐えするならわんぱく・のんき必須)
- HBゴツメラプラスはヒメリと防護パッドを除く全てのチラチーノに勝てる。ヒメリには負け濃厚、防護パッド相手は同優先度コイントス。
- チラチーノVSマリルリの殴り合いは火力強化なし同優先度であればマリルリ有利
その他、他の人の動向を見るに鈍足であることがこのゲームにおいて有意義だと考えている人がいることも考えたい(筆者はこれまでの考察から鈍足にあまり価値がないと考えている)。
これを踏まえると、環境にいる「高火力」「高耐久」「鈍足」の各陣営の内訳はこのようになる。
【高火力】
【高耐久】
【鈍足】
- ヒメンカ(ゴツメ、ヒメリ、輝石(、パワー系))
これを受けて、まず考えたのはゴツメABマリルリ。高火力と高耐久のハイブリッドマリルリである。
ゴツメによって攻撃を受ける回数を減らすことで、実質的に対高火力への耐久を上げられているため、3耐えできるようにBに振るだけで十分に高耐久としての役割を全うしている。
一方でAに振り切っているため、本来ゴツメ持ちはヒメリ持ちに弱いはずだが、このマリルリなら高耐久+ヒメリでなければ高火力要因として相手を殴り倒す側に転身することができる。具体的には、Aに補正を書けなくても輝石なしB特化ヒメンカを確5(=HPが4n+1に調整されていれば反動相打ちで判定勝ちできるため勝ち確レベル)。
性格はのんきでほぼ固定で大丈夫だと考えている。
→ハチマキチラチーノを見る場合はのんきが必要で、のんきにした場合本当に全てのチラチーノに勝てるようになる。
→意地にしないとマリルリ対面の殴り合いで不利になるが、ゴツメ分だけむしろ有利だと思われるため、意地である必要はない。
つまり、↓の個体が採用第一候補となった。
HP :4n+1に調整することで、わるあがきを最大5回打てる。
こうげき:補正なし最大。
ぼうぎょ:残り、ハチマキチラチーノをのわるあがきを急所非考慮で3発受けきる十分な耐久
すばやさ:最遅。鈍足に価値はほぼないとは言ったものの、調整できる限りならSは落とし得。
*ここまでのまとめ*
上の画像のマリルリを使う場合
【勝てる】
- 全てのチラチーノ
- 輝石・ゴツメ以外のヒメンカ
【まだわからん】
ヒメンカちっちゃ
ここから、分からないポケモンとの対面を一匹一匹潰していく。
↓がんばってマリルリと他のポケモンと戦ってどうなるかを考えている
ここまでの考察から
*ここまでのまとめ*
このマリルリを使う場合
【ほぼ勝てる】
【かなり有利寄り】
- 輝石・ゴツメのヒメンカ
【五分】
【ほぼ負け】
ここでポイントとなるのは、このマリルリは解決しようのない持ち物三すくみ以外で明確な不利を取っていないことである。
メタ環境考察
これで上記のマリルリに対して有利不利なポケモンがはっきりした。
プレイングが絡まないこのゲームにおいて、【ほぼ負け】ポケモンを相手が持ってきていたら本当にほぼ負けである。
よって、以下に「ほぼ負けポケモン」が少なくとも、その「ほぼ負けポケモン」が環境に跳梁跋扈しブイブイ言わせていれば勝ち上がることはできない。
そのため、実際に他の参加者がなにを持ってくる可能性が高いかまでを見極める必要がある。
ここで他の参加者の動向をうかがうべく、Twitterで「うたう1on1」で検索をかけるなどして情報を集めた(2021/05/28時点)。その結果が以下。
- 参加者ではない方がヒメリについて言及しており、ヒメリが運営から許可された。
- 参加者の一人が一瞬で型を決めていた。
- 某Discordサーバーにおいて、参加者の一人がパワーアンクルヒメンカに言及していた。
- 某Discordサーバーにおいて、チラチーノマリルリ対面はマリルリ有利であることが考察されていた。
- 某Discordサーバーにおいて、ヒメンカの言及がかなり多い一方で、「鈍足の受け系に対する有利が他と比べて若干小さいのは気になる」という言及もあった。
- 某Discordサーバーにおいて、「このルール最大火力はチラチーノなんだけど、輝石ヒメンカを倒すだけならマリルリでよさそうなのがポイントになるかもしれない」との言及もあった。
- うたう1on1用のサーナイトという記事を書いている人がおり、その方はマリルリが強そうと言及していた(ただし、考察を見るに火力が高いという理由でマリルリを選んでいるため、考察は筆者に比べれば浅め)。
- 参加者の一人は99.7%ほうしヒメンカを連れてくる(筆者が育成代行したため)。
このことから、マリルリとヒメンカがかなり多そうである。
ただし、アタッカーに関してはハチマキチラチーノでラプラスに殴り勝てることはよく計算すれば分かるためチラチーノの可能性は捨ててはいけない。
多いと想定されるマリルリに勝てるポケモンで上げられるのはラプラスである。
仮に参加者がゴツメラプラスを採用する場合はうちのマリルリと五分なのでスルー。
採用予定のマリルリに勝ててしまうヒメリラプラスが環境に多いかを考える必要がある。
【参加者はヒメリラプラスを採用するだろうか?】
まず、ヒメリラプラスは環境のマリルリにほぼ勝つことができる。ハチマキ以外のチラチーノもシェルアーマーで安全に受けきることができる。
鈍足のヒメンカに対しては不利を取っているとされているが、わるあがき優先度に気づいている者であればヒメリヒメンカ以外には勝てることが分かるためかなり強い存在であるといえる。
>o'ω'o<「ん-? ネ?」
>o'ω'o<「ここまでの考察、どうなっちゃうンネ?」
正確にはヒメリ持ちのポケモン同士でぶつかると同優先度コイントスが発生するが、これは致し方ないものとすると、他の全てのポケモンがほぼ勝ちになる。
なぜこのようなことが起こったのか。
「高耐久」の分類であるラプラスは本来「鈍足」に弱いはずだが、そもそも鈍足に弱い理由は先にわるあがきを始めてしまうから。つまり、ヒメリを持てば同じくヒメリ以外の鈍足は怖くないのである。
もちろんB特化ラプラスなので「高耐久」らしく「高火力」はしっかり受けきって見せている。
- A特化チラチーノからのわるあがき:13.5~16.0%(確定8発、乱数7発)
- ハチマキA特化チラチーノからのわるあがき:19.8~23.6%(99.9%の乱数5発)
- A特化マリルリからのわるあがき:12.2~14.7%(確定9発、乱数7発)
- ハチマキA特化マリルリからのわるあがき:18.5~21.9%(59.0%の乱数5発)
つまり、ハチマキA特化マリルリには41%で勝てる、ハチマキチラチーノには99.9%負け、その他全てには急所もないため確実に勝てるという状況である。
>o'ω'o<「最強ポケモン見つけちゃったンネ」
しかし、ヒメリは同優先度コイントスなので致し方ないとしても、ハチマキ持ちにはこのラプラスは負けてしまう。では、考えよう。
【参加者はハチマキ高火力ポケモンを採用するだろうか?】
ハチマキポケモンは正直ヒメリラプラスピンポイントである。理由は以下の通り。
- 鈍足ポケモンには殴り勝てるもののゴツメラプラスには負ける。
- 同じ高火力アタッカーの中で考えても、チョッキやゴツメを持っていればまず負ける。
- 「高火力」が相性有利である「鈍足」に勝つためならばハチマキは要らない(ダメ計より)。
つまり、ハチマキは同族にすら満足に勝てるかわからないポケモンである。
さらに、マリルリとチラチーノの対面ではマリルリが有利であることがメタ考察での情報整理の4番目で明らかになっており、これは参加者の共通認識としていい。
そのため、チラチーノよりはマリルリ寄りの環境になるだろう。
このため、ハチマキは環境にほぼいないと推察できる。
最悪マリルリならばハチマキを持っていても41%の確率で耐えられるためなんとかできる。気合でなんとかする。
HB:一番硬い。ついでにぶっぱしたらHPは4n+1になっていて、ゲーフリはうたう1on1の結果を見通していたのかもしれないと思った。
素早さ:最遅。
>o'ω'o<「B特化ヒメリラプラス最強!」
懸念点としては
- 「全く考察してもないし知らんけど火力が正義やろ!w」でハチマキチラチーノが発生しうる。
- 「輝石ヒメンカを考えるとハチマキが必要だなぁ」と考えハチマキ高火力が発生しうる(実際は同優先度コイントスであるため、ハチマキがなくとも受けには勝ちやすいが、そこまで考察していない可能性)。
上記以外の理由でハチマキを採用された場合は土下座して負けました弟子にしてくださいと言うことをもって解決とする。
事前情報戦
メタゲームとは、対戦相手との考察と考察のぶつかり合い。
そして、考察は対戦を始める前に行うのだから、対戦をするために人が集まった時点でもう勝負始まっているのである。
目指すは勝利、ただ一つ。番外戦術も厭わない。
ここまでの結果から、まず第一にハチマキ持ち、第二にヒメリ持ちを環境から減らしたい。
よって、ハチマキとヒメリをこっそりアンチしたツイートが必要だ。
そのうえで、情報戦だとバレないように自然なツイートを心掛ける必要がある。
ツイートに値する衝撃を受けてのツイートが自然であるため、それにふさわしい話題を持ってきた。
今日も今日とてこんな時間まで †うたう1on1† について考えてるんですけども
— クロサナ (@kurosana309637) 2021年5月27日
持ち物考えてたらゴツメ対策の「ぼうごパッド」とかいうアイテムを発見してしまってですね……
「ハチマキでもゴツメ持てば受けられるので受け最強問題」を解決してしまったんですけど、これ環境練り直し???
#うたう1on1
— クロサナ (@kurosana309637) 2021年5月27日
タグにしようとしてたのに絶望の淵から突き落とされたせいで忘れてた
ゴツメなければぼうごパッドって持ち物なしなんだよな……ゴツメどのくらい増えるんだ……
— クロサナ (@kurosana309637) 2021年5月27日
ゴツメはゴツメでヒメリに弱くて、
でもヒメリは殴ってくるポケモンには持ち物ないも同然なんだよな
持ち物わからんまま殴り殺されるの嫌すぎるぞ
メタ考察初めてやるけどむずかしすぎる……
もちろん嘘情報も流した。
#うたう1on1事前情報戦
— クロサナ (@kurosana309637) 2021年5月27日
でんきだまピカチュウ使います!
完璧だろこれ。
勝ったな、ガハハ!
* * *
ここまで長々と読み進めた読者の皆さんは恐らくこう思っていることであろう。
「前半のド・長い考察の結果全部捨ててラプラス採用するなら最初からそこだけ書けよ!!!」
わかる、気持ちはわかる。読んだ文章の大半意味のない文章だった皆さん方は、きっとダクマを回収するための周回で殿堂入りをしたあとにメインストーリーはブラッシータウンまで行くだけでダクマをもらいにヨロイじまに行けることに気づいたあの頃の筆者と同じ気持ちなのだろう。
だがしかしよく考えてほしい。そもそも「うたう1on1」などというしょーもないルールの記事を読むこと自体に意味はあるのだろうか。
いや、ない。
筆者も途中までノリノリでB補正とA補正の計算比べをして「うお~ここまで考察した結果ハイブリッドになってるマリルリそりゃ強いわな~~~」とかダメージ計算していたのである。ダメージは筆者が一番大きい。
なので。
ここはひとつ。
許して♡
許しを請う筆者代理デデンネ
実戦
1ブロック4人のブロック分けが行われ、ブロック内での総当たり戦のうち上位二人が決勝ブロックへ進出するという形式だった。
発案者短足珍獣さんにちなんで短足ブロックと珍獣ブロックに分かれており、筆者は珍獣ブロックだった。
誰が珍獣じゃ
確認できたKP
試合振り返り
反省
全敗
あれ~~~~~~~~~????
特に3すくみがかかってるとか、決勝に上がってそのまま優勝する少年マンガ的展開でこの記事のうまみを作ってくれるんじゃないの???
* * *
考察の理論はそこまで間違っていなかった。ヒメリラプラスには一定の強さがあったはず。
1戦目のハチマキチラチーノは負けだと思ってラプラスをチョイスしたし、2戦目も微不利とはいえ勝てる可能性は十分にあった。3戦目もミラーだったため選択が間違いだとは思わない。
敗因は主に3つあったと思う。
環境読みの甘さ
基本的にマリルリを意識したラプラスチョイスだったため、そのマリルリがいなかった、つまり環境読みがまだまだだったのが3番目に大きな敗因。
最初のポケモン案だったABゴツメマリルリを持っていっていた場合、チラチーノには有利ヒメンカにも有利ラプラスには負けとなっていた可能性が高いため決勝に上がることができたかもしれないのは、悔しい。
鈍足の優位性
また、2番目に大きな敗因として、考察の理論が正しいとも言い難かった点として「鈍足の優位性」が挙げられる。
筆者は記事内で足が遅いことについてかなり軽視した考察を繰り広げているが、
これは参加者の一人であるキギさんがうたう1on1を模したプログラムを書いて検証されており、下のツイートのような結果が出ていた。
速い方をa 遅い方をbとした時の検証です
— キギ (@kigi_kigi_kigi) 2021年6月3日
先に相手のppが無くなることを勝ちとしています
検証結果から、遅い個体の方が約15%ほどpp合戦では有利と言えると思います pic.twitter.com/Mxq98fko82
また、同じく参加者の一人であるテツポンドさんのプログラムでも同様に先攻側が先にわるあがきに入る可能性が60%程度であるという結果が出ている。
tetspond.hatenablog.com
筆者は同優先度コイントスという言葉を定義したが、このことから実際はコイントスではなかったことは明らか。
つまりヒメリラプラス最強説には欠陥があったのである。
……で、最大の敗因は何かって話なんですけども。
実際にこの戦いに連れて行ったラプラスを見てみましょう。
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> はやくにめざめた ラプラス <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
そりゃ先にわるあがきするわけだよ!!!!!
何回も寝るんだから早く起きとけば二度寝できるっしょwとか考えていたが、どうやら起きた時点で目が冴えてしまったらしかった。無念。
おわりに
記事を書く時間が取れずにだいぶ公開が遅れてしまいましたが、本当に楽しかったです。
記事中でもうたう1on1をしょーもないルールなんて言ったりしましたが、僕にとってはとても有意義な時間でした。
そもそもうたうが当たるのかどうかをドキドキしながら見守る時間は決してヒマではなかったですし、初めてメタゲームに触れて面白さと難しさを痛感しましたし、この変な大会に集まってきた酔狂で面白い知り合いも増えました。
主催の醤油さん、それから対戦していただいた皆さん、さらにさらにここまでのしぬほど長い考察をお読みいただいた皆さんも、ありがとうございました!
また変な企画があったら誘ってください。
酔狂なルール記事としてAPPDATE辺りに寄稿したかったけど流石に賞味期限切れもいいとこなので断念。遅レポで概論提出受け付けてもらえたりしないかな。
他の参加者さんの記事
ガラナさん
guarana-g.hatenablog.com
優勝したガラナさんの記事。
考察はシンプルに、しかし最高に熱いメタゲー模様が書き綴られていました。流石優勝者。
ジョンさん
john-poke.hatenablog.com
うたう1on1初心者にもわかりやすいまとまった考察。ジョンさんのおねむなラプラスと僕のはやくにめざめたラプラスがかち合ってボコボコにされた様子も綴られてました。アレは運ではなく証負けです。
テツポンドさん
tetspond.hatenablog.com
こちらはしっかり骨のある考察が載せられた記事。持ち物の辺りまで含めて似た考察が散見されたので嬉しかったです。うたう1on1のプログラムはプログラムにするための発想の転換に舌を巻きました。必見です。
キギさん
kigipoke.hatenablog.com
ユキハミ1on1の狂気を掻い潜ってきた猛者ことキギさんの記事。本当にメタゲーを楽しんでいる様子が伝わってきました。ちなみにハチマキチラチーノで破壊されました。弟子にしてください。
アインズさん
luzilla.hatenadiary.jp
こちらは簡素にわかりやすい考察と対戦結果、更に映像資料付きのスペシャル仕様。論理を味方に付けたハチマキわるあがきは強かった。