ほうこうレポート

ほうようポケモン、こうもりポケモン。

【SS】『おやすみ、モノズ』

注:このSSは別の場所にかつて掲げたSSを整えたものです。


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ぴーっ、と外で機械が鳴る音がした。

車が鳴った音。

あいつら帰って来たのか。遅かったな。

たまにゃ玄関まで迎えに行ってやるか。

起き上がると、首輪についた鎖がしゃらんと音を立てた。

「ただいまーサザンドラ」

最初に入って来たのはユリア――俺のトレーナーだ。

『おうおかえり』サザンザ

ユリアは俺を見るなり、すちゃ、とかけていたサングラスを外した。

「元気にしてた~サーくん?」

『まぁボチボチな』ララ、ザンドゥ

先ほどまで真一文字に結ばれていたユリアの口はだらしなく緩み切っていた。

ベテラントレーナー、なんて周りからは呼ばれてるらしいが、こういうところはあまり強そうではない。

バトルじゃ確かにこいつに従っているだけで勝ててしまうくらいにこいつがすごいのは認めるが。

「そうかそうか~、おとなしくしてて偉いぞ~」

『やめろなでくり回すな!』ドゥララァウ!

「いいじゃない、けちんぼね」

「ただいまーーー!」

ボフンといきなり俺の腹にぶつかって来た奴がいた。

『ガキンチョ、それやめろっつっただろ』ランラ、ザザン

左手をガキンチョの眉間に突き合わせる。

俺の頭で直接睨みつけるとこいつが泣いちまって怒られるから仕方ねえ。

「もいっかいやっていい!?」

『話聞けよ……おいユリア』ザン……サザザ

ガキンチョから目をはなし、俺はユリアを睨んだ。

こいつ相手にゃ下手に怒れないし、ユリアに助けを求めるしかない。

「こら、やめてあげなさい、ヨっちゃん。サザンドラ嫌がってるでしょう」

「えー、だって気持ちいいんだもん」

『ダメなもんはダメだ』ラララザ、ザ

ガキンチョが駄々をこねている間にもう1人玄関に入って来た。

「そうだぞヨヘイ。こいつの方が気持ちいいぞ」

タイガ――ユリアの旦那だ。

こいつ?

タイガが抱えているのはボッサボサのケダマ……ってわけでもないよな。

なんだこいつバタバタ暴れやがって。

「ほんとだ! トリミアンの方が柔らかそう!」

トリミアンっつーのかこいつ。

「おっと、まだやめとけ。まだこいつは人間のこと怖いんだから」

「はーい」

『おい下ろせよ! おいッ!』リミア! リリミアン!

「もう少し待っててな~……ユリア、リビングに行こう」

「そうね。サーくん行くわよ」

『はいよ』ラン

ユリアに続いて俺も、ニンゲンたちには無駄にでかい扉をくぐった。

「ほら、ずっと持っててごめんな。しばらくはケージの中で我慢してくれな」

タイガがゆっくりトリミアンをカゴの中に下ろした。

今朝からあった謎のカゴはこいつのためだったのか。

『テメェッ! どこだよここ!』バウア! ミィア!

「痛……っ」

いきなりトリミアンがタイガに噛み付いた。

タイガは慌ててカゴから手を引き抜く。

『おいテメェッ!! うちのやつに何してやがるッ!』ザン! ラザンラドラァッ!

『ひっ……』ミア…

「大丈夫よトリミアン。私たちは嫌なことしないわ」

『うるせえ……っ!』ミア、ガルル…

ゆっくりと近づくユリアにトリミアンは敵意剥き出しの威嚇をしている。

ユリアがカゴに手を伸ばそうとしたが、タイガに止められた。

「今はやめておこう。嫌いなニンゲンにいきなり知らない場所に連れてこられたんだ、気が昂るのも無理はない」

「そうね。……早く落ち着いてくれるといいのだけど」

なんだ? なんでユリアはこいつをここに連れて来たんだ?

いや、それよりも、こいつがうちの奴らを傷つけないように見張っといたほうがいいのか。

ユリアたちはトリミアンをおいてリビングから出て行ってしまった。

手でも洗って来たんだろう、ユリアたちはすぐに元の暮らしに戻った。

まるでトリミアンなど最初からいなかったように。

今は関わらないほうがいいのだろう、と俺は遠巻きにトリミアンを眺めていた。

トリミアンはひとり壁を向いて、死んでしまったように動きもしない。

いきなり連れてこられた、とタイガは言っていた。

確かに俺も聞いていないしいきなりではあったが。

「どうしたのサーくん。あの子が気になるの?」

夕飯を作り終えて運んでいるらしいユリアが話しかけてきた。

『あぁ』ラン

「あの子は人間に捨てられちゃった子でね。それもひどい捨てられ方をしたんだ。あの子、尻尾がうまく動かせないんだよ。それも捨てられた時の傷のせい。それで人間が嫌いになってしまった子なんだよ」

ニンゲンを、嫌いに……。

俺は最初からニンゲンのことが興味あったし、ユリアは優しくて嫌いになることもなかったから、気持ちはわからんが。

野生ポケモンたちの間でニンゲンは邪悪な存在だと教えるのはきっとこういうことがあるからなんだろう。

「人間は嫌いだけど、あの子は野生のうちに生きていくには体が弱すぎる。だから、人間を好きになってもらって、人間と一緒に生活できるようにしてやらなきゃいけないのさ」

『そう、か……』ラン…

「そのお手伝いができたら、と思ってね。うちでしばらく預かって、人間に慣れさせてやるんだ。そんなボランティアのお仕事だよ」

だからさっきタイガに反抗していたし、今もそっぽを向いていると。

あいつにもまた事情があったわけか。

協力してやんのもやぶさかじゃねえ。俺もなんかできそうならしてやるか。

『俺も手伝ってやるよ、トリミアンとやら』ラララザン

右手でユリアの右手を弱く噛んで言っておいた。

「なんだい。手伝ってくれるのかい? じゃあお願いするよ」

やっぱりユリアにだけは俺が言いたいこと伝わるな。ポケモンの言葉はわかっていないはずなのに。

「はい」

ユリアは味噌汁が3つ乗ったお盆を俺に渡してきた。

……ちげえよ手伝うのはそれじゃねえ。

まぁ運ぶのも手伝ってはやるが。

両手でお盆の端に噛み付けばお盆くらい持てないことはない。

……こんな風にポケモンと人間との間じゃ克服できねえ齟齬がある。

その齟齬があったままじゃトリミアンも人間に馴染むのは難しいだろう。

俺の出番だな。任せとけよ。

そんなことを考えながら、ニンゲン3人の食事を運んで。

「はい、サーくんの分」

『ありがとよ』サーザ

ユリアとタイガが手持ちのポケモンたちのポケモンフーズを配り終わって。

「あとはトリミアンだな。俺があげてこよう」

「お願いね、タイガ」

トリミアンの分のポケモンフーズを皿に取り、タイガがゆっくりカゴに近づいた。

「ほら、ごはんだぞ」

『……来るな!』リミミィ……!

トリミアンはしゃがみ込んでいつでも飛び掛かれるような体勢を取っていた。

「威嚇されちゃってるわね。大丈夫かしら」

「大丈夫、嫌なことはしないぞ」

『……来るなっ!』リミミィ……!

『もう嫌なことしちまってるからな……』ララン、ザンドゥ……

タイガは警戒させないようにとゆっくり近づいていくが、トリミアンの警戒は全く解けていない。

念のため、左手の中にラスターカノンを発射準備しておく。

カゴを開け、上からポケモンフーズの皿をカゴの中に置いた。

『来るなぁッ!!』バウアッ!!

「痛っ!」

タイガの手にトリミアンが噛み付いた。

『てめぇっ!!』ランッ!

ダメージを負わないように最低限のパワーでラスターカノンを発射する。

銀白の光線はカゴの棒と棒の間を通ってトリミアンの背中に命中した。

ミギャッとトリミアンが素っ頓狂な声を出した。

「サーくん!!」

ユリアが俺に叫んだが、今は無視だ。

タイガの手が噛みつきから逃れ、カゴの外へ出て行く。

こちらに戻ってくるタイガと入れ違いに俺はカゴの近くに寄った。

『いきなり攻撃して悪いな。まぁ噛みつかれたタイガも同じ気持ちだ』ラランラ、ザン、サンザザン

『ふん……俺は近づくなと言ったんだ。噛みつかれて当然だろ』ミ……ミミアミアン

『今お前はニンゲンの下にいるんだ。ニンゲンの世界じゃ簡単に相手を攻撃しちゃいけねんだよ』サザンザンドゥ、ドゥラァウア

『知るか。人間なんかに管理されるのはごめんだ』トリミミアン、トリリ

『……そうかよ』ラザン

「サーくん! 喧嘩しちゃダメでしょう!? 優しくしてあげなさい!!」

ユリアが走り寄ってきた。

『ちげえよ、しつけだしつけ』サン、ラゥア

『なにがしつけだ』ミアゥ

「2匹とも何か言いたいみたいだけれど。仲良くしてね?」

『嫌いなわけじゃねーよ』ラゥゥ

トリミアンも一旦落ち着いたようだし、俺はユリアと一緒に食卓へ戻った。

トリミアンはユリアとタイガが起きている間、ポケモンフーズを一切口にしなかった。

腹も減ってないわけじゃないだろうに。

ユリアたちが寝室に消えると、トリミアンはカゴの中を動き始めた。

部屋は常夜灯のみの、ほとんど光のない暗闇。

トリミアンは部屋の様子でも窺っているのだろうか。夜目効くんだな。

「おい」

少し声をかけてみた。

トリミアンはびくんと背筋を硬らせた。

「……なんだ」

怒っているようで、その実怯えているような、震えた声。

「あぁいや。…………」

「…………」

お互いなにを喋ればいいのかわからなくて、暗闇に沈黙が横たわる。

「さっき。いきなり攻撃して悪かったな」

「…………」

とりあえず謝ってみたが。なにを思っているのだろうか。

「……いや。気に入らんが、手加減したのは分かってる」

なんだ、話は聞いてくれそうだな。

手加減のおかげで警戒もちっとは解けたのか?

「あ、あぁ。分かっていてくれてるなら助かった」

「なぜ話しかけた」

「別に何かあるわけじゃねえよ。やっと動き始めたからなにしてんだと思っただけだ」

もう少し話すこと決めてから話しかけたらよかったな。

ニンゲンとは既に居づらいのにポケモンとも居づらい思いをしちゃいたたまれない。

あぁ、次はなにを話そうか。

「お前は、窮屈じゃないのか?」

「あ? なんの話だよ」

まさか話しかけられるとは思っていなかった。

「その首輪。鎖までついていてよ」

「あぁ首輪か。そりゃ最初は暴れたがな」

「ならなぜ」

「俺は拾われた身なんだよ。初めてニンゲンに会って、拾われて、そのままそのニンゲンと一緒にいる。だから俺はあいつの言うことなら聞くさ」

「……哀れだな」

「哀れじゃねえよ。お前、あのドアがニンゲンには余るくらいデカい理由分かるか?」

「…………いや」

「アレは俺が通れるようにわざわざあんなデカく作ってあるんだよ。俺が進化して体がデカくなったから、前の家にいられなくなって。わざわざ俺に合う家立てて引っ越したんだ。俺なんかモンスターボールに入れときゃいいのに」

「…………」

「だからまぁ、恩があんだよ。嫌々言うこと聞いてるわけじゃねえ」

「…………」

トリミアンの想像していたニンゲンとは違いすぎた、とかそんなところだろうか。この沈黙は。

「なんで首輪のことなんか聞くんだ?」

「俺は首輪が嫌いでしかたなかったんだ」

「それは、お前の過去と何か関係があるのか? 多少話は聞いてるがよ」

それは推測だった。

わざわざ話のきっかけに選ぶような話題が首輪なら、何かしらの強い思いがあるのではないか、と。

「あぁ」

トリミアンは首を振ってから短く答えた。

「話せよ。別にお前に悪いようにはしねえ」

「…………」

トリミアンはまたしばらく黙っていた。

ニンゲン側である俺に事情を明かすのに、慎重になっているのだろうか。

しかし、しばらくしてトリミアンは口を開いた。

「首輪が嫌で俺は暴れたんだ。だがあいつは言うことを聞かせようと俺を散々痛めつけて、最後には放り出した。それだけさ」

あいつ、というのは前のトレーナーのことだろうか。

体が弱いといっていたし、トレーナーに抵抗しきれなかった、ということなのか。

それは、確かに辛い体験だっただろう。ニンゲン不信になろうと不思議じゃない。

説明が俺には唐突でわかりづらいようの聞こえるのも、話したくないことを濁しながら話すせいなのだろう。

「首輪なんてしてやる義理は俺にはないんだ」

トリミアンの声は震えていた。

だが、その言葉は間違っていると俺は思う。

「首輪は、ニンゲンを安心させてやるためにつけるもんだ。ニンゲンと暮らす以上つける理由はある」

「何を言っているんだ」

「ユリアはなぜこの首輪を俺につけたと思う?」

「そんなの、お前を無理やりコントロールするために決まっている」

「違う。ユリアは、俺を見た周りのニンゲンが俺を怖がらないようにこれをつけたんだ」

「だから何を言って……」

「ほとんどのポケモンはニンゲンよりも力が強い。だから、普通のニンゲンから見れば恐怖の対象になる。首輪はポケモンが街の中で暴れたりしないことを示して、周囲のニンゲンを安心させるためにつけるもんだ」

「…………」

「俺は最初からこれをつけていたわけじゃない。この姿に進化した時に初めて首輪っつーもんを知ったんだ。サザンドラに進化して、ニンゲンたちから怖がられるようになったから、仕方なくユリアは首輪をつけることを決めたんだよ。俺が怖がられないようにな」

「…………」

「首輪があるから俺はニンゲンの世界で暮らしていられるし、俺といるせいでユリアがニンゲンの世界で暮らせなくなることもない。……周りのニンゲンのために首輪をつけるって意味、分かったかよ」

トリミアンはまたしばらく黙っていた。

認めたくないともがいているような、苦しげな顔だった。

「……悔しいが、間違っているようには聞こえない」

どうやら白旗を振るしかなかったようだ。

この調子でニンゲンを好きになってくれるだろうか。

「おう、そうか。そりゃよかった。少しはニンゲンのこと信じる気になったかよ」

「……まだだ。ニンゲンが信用ならないということは俺が一番よく知っているんだ……!」

「こんな状況で意地張ってっと餓死するぜ。お前だって腹減ってんだろ?」

「……ニンゲンが出すものなんて誰が食うか」

キッと俺を睨みつけてくる。

強情なやつだとは思うが、トリミアンの過去を考えると仕方ないのだろう。

「別に毒が混じってるわけでもないだろうが。なんなら俺が食ってやるよ」

カゴの隙間からそーっと右手を入れ、ポケモンフーズを数粒食べた。

俺用のじゃないからそこまで美味しくはないが、食えないなんてことはない。

「ほらな。食う気になったらでいいから食っとけよ」

「…………」

トリミアンはまだ考え込んでいるようだった。

そう簡単に警戒を解くようなやつじゃないのは分かっている。

「まぁ飯のことはいい。少し話さないか」

「……あぁ」

つっけんどんな声。だが話は聞いてくれるらしい。

眼光の鋭さも少し和らいだ気がした。

「お前は最初ニンゲンのことをどう思っていたんだ?」

「……野生にいた頃は、ニンゲンは怖いものだと教えられてきた」

「やっぱりか。じゃあその通りだとでも思ったわけか」

「あぁ。ニンゲンはロクなヤツらじゃない」

「俺も最初野生の身だったんだよ。まぁ拾われたって言ったしな。だからニンゲンが怖いものだと教えられるのは知ってる。でもな、俺はニンゲンのこと最初から好きだったんだよ」

トリミアンが目を細めた。

「何を言っているんだ」とでも言いたげだ。

「森に住んでた頃、フーディンって言う、ニンゲンにめちゃめちゃ詳しいポケモンがいてよ。俺はフーディンに――じーちゃんによくニンゲンの話を聞いたんだよ」

「フーディン……」

「『確かに酷いニンゲンは居る。だが、ポケモンにもいいポケモンと嫌なポケモンがいるように、ニンゲンにだって優しいヒトはいる』……ってじーちゃんはよく言ってた。ニンゲンと関わる楽しい話なんかも聞いてたしな。だから俺はニンゲンが最初から好きだった」

「…………」

「実際ユリアは俺のことをよく考えてくれる。引っ越し然り、な」

「お前のトレーナーは悪いヤツだったのかも知れんが、ユリアとタイガはその限りじゃねえんだ。信じてはもらえんかも知れねえけどよ」

話すとしたら、ざっとこんなもんだ。

これがトリミアンにどう響くのかは分からない。

分からないが、ユリアが悪いヤツじゃないのは確かだ。それは伝えたい。

「…………考えては、おく」

トリミアンはしばらく悩んだ末に、喉から声を絞り出すように言った。

俺の考えは伝わったのだろうか。

少なくとも今は家に来たときのような険しい表情ではない気がした。

これからゆっくり、こいつが慣れていってくれたらいいのだが。

「そうか。お前からは何かあるか?」

「……ない」

その声は、考えることで手一杯だ、と言外に語っていた。

なら無理やり話し続けていてもこいつも嫌だろう。撤収だ。

「なら俺ももう寝るぞ。ここで寝るから、騒がしくしたらまたラスターカノン打つからな」

トリミアンはじっとこちらを見ていた。

「あぁ、そうそう。これだけは言っておかねえとな。ニンゲンだけがポケモンを大事にしてるわけじゃねえ。俺だってユリアのことは助けたいと思ってる。だから――



あんまりユリアとタイガに面倒をかけるようなら……容赦はしねえぞ」



さて言いたいことは言った。

トリミアンの反応も確認していないが、寝よう。

「また明日だ。お前も早めに寝とけよ」

言い残して、俺はトリミアンの前から去った。

用意してくれてある大きな毛布の中に潜り込めば、あとは寝るだけだ。

トリミアンはやはり終始無言だった。

圧をかけすぎただろうか。

まぁポケモンとニンゲンの、お互いに良い関係っつーもんを知ってもらいたいのだから、俺の本心を言っても構わないだろう。

しかし、森でじーちゃんにニンゲンのことを教えてもらうだけだった俺が、教える側になるとはな。

じーちゃんはどんな気分で俺に話をしていたんだろう。

森は森で楽しかった。

でもユリアと会ってからの方が記憶はたくさん残ってるな。

……………………。

………………。

…………。

昔のことに思いを馳せると、どうにも眠くなってくる。

右手と左手のまぶたはもう重くて開きそうにない。

ユリアはもう寝ているだろうな。

モノズの頃は寝る直前によく言ってくれていたっけ。



『おやすみ、モノズ』



……おやすみ、ユリア。